⽝の遺伝子検査 GENETIC TESTING OF DOGS
遺伝子検査とは
遺伝子検査とは、DNAの変異(突然変異)を検出する検査のことを言います。
遺伝子検査を行うことで、遺伝子の変異によって発症する遺伝性疾患のリスク判定が出来ます。
弊社では、神経疾患、眼疾患、泌尿器疾患、血液疾患などの遺伝性疾患の検査を行うことが可能です。
犬の遺伝子検査を行う意義として
以下の3点が挙げられます。
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01
治療や生活環境の指針を示す
例として下記のようなケースが挙げられます。
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CASE01
多剤薬剤耐性遺伝子(MDR1)変異の保有率の高いコリー系ではフィラリア予防薬のイベルメクチンへの感受性が高いことが知られていますが、イベルメクチン以外の抗がん剤や鎮静剤などにも感受性が高いことから使用量を減量しないと神経症状などの副作用が強くでる可能性があります。
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CASE02
血液凝固(止血)にはフォンウイルブランド因子が不可欠ですが、フォンウイルブランド病(vWD)ではこの因子が不足、機能低下または欠損しているために手術後に止血困難なことから術前の輸血が必要となります。
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CASE03
高尿酸尿症では尿中に尿酸が多量に放出されるために腎結石、膀胱結石、尿道結石を発症しやすいので、検査結果により尿酸産生を抑制する処方食給与や詳細な検査を心掛ける必要があります。
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CASE01
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02
発症リスクを知る
遺伝子検査を行うことによって遺伝病の発症リスクを知ることができ、遺伝性疾患に対する備えができることです。事前にその病気のリスクを知ることで、定期検診を行うと共に、早期発見につながり、重症化の予防につながります。
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03
変異遺伝子を次世代に残さない
遺伝情報は両親から半分ずつ子に伝達されるため、次の世代を繁殖する前に両親の遺伝子検査を行うことは、遺伝性疾患を将来の世代に増加させないために重要な意義があります。
犬種別検査項目リスト
あ行
犬種 | 検査項目名 |
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アイリッシュ・ウォーター・スパニエル | 第Ⅶ因子欠乏症 |
アイリッシュ・セッター | PRA 進行性網膜萎縮症(rcd1) DM 変性性脊髄症 |
アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セター | vWD フォンヴィレブランド病 type1 |
秋田犬 | GM1 ガングリオシドーシス |
アメリカン・アキタ | GM1 ガングリオシドーシス |
アメリカン・コッカー・スパニエル | PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) FN 家族性腎症 EIC 運動誘発性虚脱 DM 変性性脊髄症 |
イタリアン・グレーハウンド | DM 変性性脊髄症 |
イングリッシュ・コッカー・スパニエル | PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) FN 家族性腎症 |
イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル | PRA 進行性網膜萎縮症(CORD1) DM 変性性脊髄症 FN 家族性腎症 |
イングリッシュ・セッター | HUU 高尿酸尿症 |
ウィペット | DM 変性性脊髄症 |
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア | vWD フォンヴィレブランド病 type1 |
ウェルシュ・コーギー・カーディガン | DM 変性性脊髄症 EIC 運動誘発性虚脱 PRA 進行性網膜萎縮症(rcd3) ※現在検査準備中 |
ウェルシュ・コーギー・ペンブローク | DM 変性性脊髄症 vWD フォンヴィレブランド病 type1 EIC 運動誘発性虚脱 |
ウェルシュ・スプリンガー・スパニエル | 第Ⅶ因子欠乏症 |
オーストラリアン・キャトル・ドッグ | PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) DM 変性性脊髄症 |
オーストラリアン・シェパード | DM 変性性脊髄症 CEA コリー眼異常 PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) MDR-1 遺伝子変異 CL セロイドリポフスチン症(CLN8遺伝子)* CL セロイドリポフスチン症(CLN6遺伝子)* *ご注意 |
甲斐 | GM1 ガングリオシドーシス |
オールド・イングリッシュ・シープドッグ | DM 変性性脊髄症 |
か行
犬種 | 検査項目名 |
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カニンヘン・ダックスフンド | PRA 進行性網膜萎縮症(CORD1) 骨形成不全症(OI SERPINH1) CL セロイドリポフスチン症(PPT1) |
グレート・デン | vWD フォンヴィレブランド病 type1 |
ケアーン・テリア | vWD フォンヴィレブランド病 type1 |
キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル | DM 変性性脊髄症 |
ケリー・ブルー・テリア | DM 変性性脊髄症 vWD フォンヴィレブランド病 type1 |
ゴールデン・レトリーバー | PRA 進行性網膜萎縮症(SLC4A3遺伝子)* PRA 進行性網膜萎縮症(TTC8遺伝子)* PRA 進行性網膜萎縮症(prcd遺伝子)* DM 変性性脊髄症 骨形成不全症(OI COL1A1) 魚鱗癬 ICH1(PNPLA1) 欧州型/ICH2(ABHD5) 北米型 *ご注意 |
さ行
犬種 | 検査項目名 |
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サモエド | DM 変性性脊髄症 |
シーズー | プレカリクレイン欠乏症 緑内障 DM 変性性脊髄症 HUU 高尿酸尿症 |
シェットランド・シープドッグ | DM 変性性脊髄症 CEA コリー眼異常 vWD フォンヴィレブランド病 type3 MDR-1 遺伝子変異 |
柴犬 | 緑内障 GM1 ガングリオシドーシス |
シベリアン・ハスキー | DM 変性性脊髄症 GM1 ガングリオシドーシス |
シャーペイ | プレカリクレイン欠乏症 |
ジャーマン・シェパード・ドッグ | DM 変性性脊髄症 HUU 高尿酸尿症 |
ジャーマン・スピッツ | vWD フォンヴィレブランド病 type1 |
ジャーマン・SH・ポインター | DM 変性性脊髄症 vWD フォンヴィレブランド病 type2 |
ジャイアント・シュナウザー | PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) HUU 高尿酸尿症 第Ⅶ因子欠乏症 |
ジャック・ラッセル・テリア | DM 変性性脊髄症 GP 消化管ポリポーシス HUU 高尿酸尿症 |
スキッパーキ | PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) |
スコティッシュ・テリア | vWD フォンヴィレブランド病 type3 PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) |
スタッフォードシャー・ブル・テリア | DM 変性性脊髄症 |
スタンダード・ダックスフンド | PRA 進行性網膜萎縮症(CORD1) 骨形成不全症(OI SERPINH1) CL セロイドリポフスチン症(PPT1) |
スタンダードプードル | DM 変性性脊髄症 PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) vWD フォンヴィレブランド病 type1 |
スピッツ(日本スピッツ) | 第Ⅶ因子欠乏症 |
スムース・コリー | DM 変性性脊髄症 CEA コリー眼異常 MDR-1 遺伝子変異 CL セロイドリポフスチン症(CLN5-1) HUU 高尿酸尿症 |
セント・バーナード | DM 変性性脊髄症 |
た行
犬種 | 検査項目名 |
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ダルメシアン | HUU 高尿酸尿症 DM 変性性脊髄症 |
チャイニーズ・クレステッド | DM 変性性脊髄症 PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) |
チャウチャウ | DM 変性性脊髄症 PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) 先天性筋強直症(MC) |
チワワ | CL セロイドリポフスチン症(CLN7) PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) vWD フォンヴィレブランド病 type1 DM 変性性脊髄症 |
狆 | PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) |
ディアハウンド | 第Ⅶ因子欠乏症 |
トイ・プードル | DM 変性性脊髄症 PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) vWD フォンヴィレブランド病 type1 |
トイ・マンチェスター・テリア | vWD フォンヴィレブランド病 type1 |
ドーベルマン | vWD フォンヴィレブランド病 type1 |
な・は行
犬種 | 検査項目名 |
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日本テリア | PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) |
ニューファンドランド | DM 変性性脊髄症 |
ノバ・スコシア・ダック・トーリング・レトリーバー | PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) CEA コリー眼異常 |
ノーフォーク・テリア | DM 変性性脊髄症 |
バーニーズ・マウンテン・ドッグ | DM 変性性脊髄症 |
パーソン・ラッセル・テリア | DM 変性性脊髄症 |
パグ | DM 変性性脊髄症 |
パピヨン | PRA 進行性網膜萎縮症(CNGB1) vWD フォンヴィレブランド病 type1 |
ビーグル | 緑内障 DM 変性性脊髄症 第Ⅶ因子欠乏症 コバラミン吸収不良症(CD) |
ビションフリーゼ | PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) DM 変性性脊髄症 |
ブリュッセル・グリフォン | DM 変性性脊髄症 |
ブルドッグ | DM 変性性脊髄症 HUU 高尿酸尿症 |
プチプラバンソン | DM 変性性脊髄症 |
フラットコーデット・レトリーバー | DM 変性性脊髄症 |
フレンチ・ブルドッグ | DM 変性性脊髄症 HUU 高尿酸尿症 |
ペキニーズ | プレカリクレイン欠乏症(※) |
ベドリントン・テリア | DM 変性性脊髄症 |
ベルジアン・グリフォン | DM 変性性脊髄症 |
ボーダー・コリー | DM 変性性脊髄症 CEA コリー眼異常 CL セロイドリポフスチン症(CLN5-1) TNS 遺伝性好中球減少症 MDR-1 遺伝子変異 |
ポーチュギース・ウォーター・ドッグ | PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) |
ボクサー | DM 変性性脊髄症 |
ボストン・テリア | PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) DM 変性性脊髄症 |
北海道犬 | CEA コリー眼異常 DM 変性性脊髄症 |
ポメラニアン | HUU 高尿酸尿症 |
ホワイトスイス・シェパード | DM 変性性脊髄症 vWD フォンヴィレブランド病 type1 MDR-1 遺伝子変異 |
ま・ら・わ行
犬種 | 検査項目名 |
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ミックス犬 ※両親の犬種が明らかな個体に限る |
両親犬の対象検査項目(※) |
マルチーズ | GSD グリコーゲン蓄積症 PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) HUU 高尿酸尿症 DM 変性性脊髄症 |
マンチェスター・テリア | vWD フォンヴィレブランド病 type1 |
ミディアム・プードル | DM 変性性脊髄症 PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) vWD フォンヴィレブランド病 type1 |
ミニチュア・プードル | DM 変性性脊髄症 PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) vWD フォンヴィレブランド病 type1 |
ミニチュア・シュナウザー | 先天性筋強直症(MC) DM 変性性脊髄症 第Ⅶ因子欠乏症 PRA 進行性網膜萎縮症 HUU 高尿酸尿症 |
ミニチュア・ダックスフンド | PRA 進行性網膜萎縮症(CORD1) CL セロイドリポフスチン症(PPT1) 骨形成不全症(OI SERPINH1) |
ミニチュア・ピンシャー | DM 変性性脊髄症 |
ヨークシャ・テリア | PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) vWD フォンヴィレブランド病 type1 |
ラージ・ミュンスターレンダー | HUU 高尿酸尿症 |
ラフ・コリー | DM 変性性脊髄症 CEA コリー眼異常 MDR-1 遺伝子変異 CL セロイドリポフスチン症(CLN5-1) HUU 高尿酸尿症 |
ラブラドール・レトリーバー | PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) DM 変性性脊髄症 運動誘発性虚脱(EIC) 鼻鏡角化亢進症(HNPK) 骨形成不全症(OI COL1A1) HUU 高尿酸尿症 |
ワイアー・フォックス・テリア | PRA 進行性網膜萎縮症(prcd) DM 変性性脊髄症 |
ワイマラナー | HUU 高尿酸尿症 |
(※)現在準備中の為、オンラインストアからのお申込みができません。検査をご希望のお客様は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
犬の代表的な検査項目
緑内障分類:眼
疾患概要 |
眼圧の増加により、網膜神経細胞が障害を受けて失明する疾患です。緑内障には原発性とレンズ脱臼やぶどう膜炎などに随伴する二次性とがあり、原発性は遺伝性に分類されます。 |
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発症年齢 |
3~7歳で多いが柴犬は3-14歳(平均8歳) |
代表的な犬種 |
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PRA 進行性網膜萎縮症分類:眼
疾患概要 |
視細胞である桿体細胞や錐体細胞に変性が起き、その後網膜全体に変性が起き失明する疾患です。
【prcd、CORD1、rcd3、CNGB1の違い】 |
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発症年齢 |
CORD1-PRAの早発性は6カ月齢までに盲目になるが、そうでない個体の発症時期は幅広く平均5歳です。 |
代表的な犬種 |
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CEA コリー眼異常分類:眼
疾患概要 |
脈絡膜の局所的な発育不全や網膜内の過剰な血管新生を起こします。重度の場合は失明します。 |
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発症年齢 |
眼底検査により5~8週齢に網膜の菲薄と発育不良により診断されることが多く、1歳以降に発症することはまれである。 |
代表的な犬種 |
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GM1 ガングリオシドーシス分類:神経
疾患概要 |
β-ガラクトシダーゼ活性の遺伝的な異常により、脳をはじめ全身の臓器に酵素基質のGM1-ガングリオシドやアシアロGM1-ガングリオシドなどが蓄積し発症する先天性代謝異常疾患です。 |
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発症年齢 |
生後5,6カ月齢で発症し、1~1.5歳で死亡 |
代表的な犬種 |
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DM 変性性脊髄症分類:神経
疾患概要 |
最初に四肢が動かなくなり、最終的には呼吸麻痺で死亡する神経疾患の一つです。 |
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発症年齢 |
大型犬は平均9歳、コーギーは平均11歳(8~14歳)で発症し、その後数ヶ月~2年で歩行困難となる |
代表的な犬種 |
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※ DM検査には米国・ミズーリ大学との特許実施許諾(JP2010545276A)契約が必要です。(株)VEQTAは2017年に契約締結しています。
CL セロイドリポフスチン症分類:神経
疾患概要 |
脂質酸化物であるセロイド、あるいはリポフスチンが神経細胞内に過剰に蓄積し、運動障害、行動異常、視覚障害を起こして、2~3歳までに死亡する先天性代謝異常疾患です。 |
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発症年齢 |
1~2歳で発症、急速に悪化し2歳半までに死亡 |
代表的な犬種 |
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GSD グリコーゲン蓄積症分類:代謝
疾患概要 |
マルチーズにみられるグリコーゲン蓄積症はグリコーゲンを分解する酵素が欠損するために全身にグリコーゲンが蓄積し、低血糖による痙攣を起こします。 死産が多く、生まれても治療しないと離乳期までに死亡します。 |
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発症年齢 |
死産で生まれることが多く、生まれても処置しないと1,2か月間で死亡します。 |
代表的な犬種 |
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vWD フォンヴィレブランド病分類:血液
疾患概要 |
止血に必要なフォンビレブランド因子の量的な低下または欠損、質的な異常により止血異常を起こす疾患です。Type1は因子低下で軽い症状、Type2は質的異常、Type3は因子欠損で、Type2とType3は重症化して死亡することがあります。 |
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発症年齢 |
重度のタイプⅡとⅢは3~6カ月齢で発症、タイプⅠのドーベルマンの平均診断年齢は4歳 |
代表的な犬種 |
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TNS 遺伝性好中球減少症分類:血液
疾患概要 |
好中球が骨髄に捕捉されるために血中の好中球が減少するために感染症にかかりやすく、生後間もない時期に死亡することが多い疾患です。 |
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発症年齢 |
6週齢から発現し、多くは4,5カ月齢で死亡 |
代表的な犬種 |
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FN 家族性腎症
疾患概要 |
腎臓の糸球体の構造異常により、タンパク質が漏出してしまい、多飲・多尿、体重減少、食欲減退、体重減少などの腎不全の症状を起こす疾患です。 |
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発症年齢 |
1歳未満で蛋白尿の排出が起こり、2歳未満で腎不全の症状を起こすと言われています。 |
代表的な犬種 |
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MDR-1 遺伝子変異
疾患概要 |
薬物トランスポーターの一つであるMDR-1の変異によって、細胞内から細胞外への基質の排出がうまくいかなくなります。特に、イベルメクチンを投与した場合、神経症状を呈することがあります。 |
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代表的な犬種 |
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HUU 高尿酸尿症
疾患概要 |
尿酸再吸収の機能が低下することで、尿中に多量の尿酸を排出する疾患です。 |
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発症年齢 |
成犬になってから平均4~6歳齢 |
代表的な犬種 |
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GP 消化管ポリポーシス分類:消化器
疾患概要 |
ジャックラッセルテリアの消化管ポリポーシスは、若齢発症も含め胃や大腸に多発する家族性の消化管ポリープを特徴とします。大腸ポリープでは血便、胃ポリープでは狭窄による嘔吐を繰り返します。 |
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発症年齢 |
平均7歳(2歳~13歳) |
代表的な犬種 |
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それぞれの検査価格については、
こちらよりご確認ください。